2007年8月21日火曜日

「サイト更新の前に必読!(その2)」USFL連載その11(3月1週号)

11回目はUSフロントライン回3月1週号USFLに入っています。
コラム11回目 は、このブログ内でお読み頂けます。

やさしく解説 ウェブマーケティング
レイア・ワークマン(ACE Inc.)

前回(2月3週号)は、サイトのリニューアルを考える際、トラフィック(訪問者数)の実状を把握していなければ、意味のある改善点が見えてこないことをお話ししました。そしてアクセス解析でよく耳にする「ヒット数」や「ページビュー」が、当てにならない数値であることも説明しました。
今回は引き続き、トラフィックを把握する方法についてお話しします。まずは、用語説明からです。

アクセス解析の訪問者数
アクセスしてくる訪問者のホスト(コンピュータ)数のことです。
IPと呼ばれる世界中のホストを識別するアドレスに基づいてカウントされます。インターネット回線によっては、ページを見る度に毎回別のIPとしてカウントされる場合もあり、必ずしも正確ではありません。その場合、クッキー(ウェブサイトからコンピュータに残されるテキスト情報)などを利用して、訪問者数を割り出す方法もあります。

セッション数
訪問者が最初にサイトを訪れてから出ていくまでを1セッションと呼び、それをカウントしたものがセッション数です。訪問者数と似ていますが、同じコンピュータからでも、サイトへの出入りを繰り返せばカウントされていきます。

何を指標とするか
アクセス解析の訪問者数からは" 何人"、セッション数からは" 何
回"、ページビューからは"何ページ"見てくれているかが分かります。これらを組み合わせて、総合評価します。 前回触れた通り、人間ではなく" ロボット"(ウェブデータを収集するためのプログラム)がウェブサイトを巡回しているため、無意味なカウントが含まれていることも忘れてはなりません。下手をすれば、これだけで計測値に何千、何万もの誤差が生じます。アクセス解析を行う場合、こうした"ゴミ"トラフィックをあらかじめ取り除く必要があります。優秀な解析ツールならそれが可能です。

アクセス解析ツール
有名どころでは、Urchin社の有料アクセス解析ツールがあります。我が社でも重宝していたのですが、
その優秀さ故か、2005年にグーグルに買収され、GoogleAnalyticsという無料ツールとして生まれ変わりました(www.google.co.jp/analytics/)。
このツール、はっきり言ってすごいです。分析できる情報量が半端ではありません。どのページ経路で閲覧した人が、コンバージョン(成約。つまりサイトの目的達成のこと)しやすいとか、多角的に細かく分析できます。
ただ細かすぎて、私たちSEO業者には、少し背筋が凍る情報も。訪問者が純粋な検索結果からそのサイトに来たのか、PPC(クリック課金型キーワード広告)から来たのかを詳細に教えてくれるのですが、つまりこれは、お金が入るPPC以外からのトラフィック量をグーグル側に教えることになるのです(汗)。
無償の解析ツールは、数え切れないほどあります。中には無償と引き換えに、強制的に無関係なサイトへリンクさせるものもあるので、ご注意を。世の中、「無料ただほど高いものはない」というところですね。

競合他社の状況を知る
競合サイトのトラフィック状況を知りたい場合は、どうすればいいでしょう? テレビの視聴率を測る有名なニールセン社のように、ウェブの世界でも、外部から状況を把握できるサービスが存在します。無料サービスもあり、その中で割りと正確と言われているのがwww.alexa.comです。世界中のサイトのトラフィック・ランキングが見られるので、結構楽しいですよ(笑)。ただし、必ずしも正確な数値ではないので、目安程度に考えてくださいね。

2007年8月3日金曜日

「サイト更新の前に」USFL連載その10(2月3週号)

10回目はUSフロントライン回2月1週号USFLに入っています。
コラム10回目 は、このブログ内でお読み頂けます。

やさしく解説 ウェブマーケティング
レイア・ワークマン(ACE Inc.)

これまで何回かにわたり、ウェブマーケティングの手法を使ったウェブサイトへの集客法について書きました。今回は、実際にどの程度、集客できているかを知る方法をお話しします。

自分のサイトの現状を知る
仕事柄、ウェブサイトのリニューアル依頼をよく頂きます。「古くなったのでデザインを一新したい」「メンテナンス性を改善したい」「訪問者を増やしたい」といった理由が多いようです。ただし、ほとんどの場合、訪問者数がどの程度なのかも把握されていません。「売上が伸びない」
「問い合わせが少ない」という問題意識はあっても、「何となく訪問者が少ない気がする」という漠然と
した感覚に留まっているのです。ずばり、そんな状態でリニューアルしても、ビジネスは成功しないでしょう。自分のサイトが実際にどういうレベルにあるのかを正しく把握しなければ、改善点が見えてこないからです。事実、デザイン的な見た目以前に、致命的な問題を抱えているケースが多々あります。問題の正確な認識がなくては、改善も成果の検証も不可能です。

一日の訪問者は何人?
では、どうやって訪問者数を把握できるのでしょう? 現在、ほとんどのホスティング(ウェブサイトを公開するためのサーバー)には、何らかのアクセス解析ツールが付いています。それらを使えば様々な数値が計測できますが、一体どの数値が本当の訪問者数に相当するのか、分かりにくい面もあります。まずは、用語の正確な理解から始めましょう。

ヒット数
サイトへのアクセス数を計測する最も大まかな数値です。
ウェブサイトの閲覧は、そのページを構成する全ファイルをホスティングからダウンロードすることで可能になります。訪問者がウェブサイトを閲覧した際に、ダウンロードされたファイル数をカウントしたのがヒット数です。
あたかも1つのファイルに見えるウェブサイトでも、実際には、メインとなるHTMLファイルの他に、画像ファイルなど多数のファイルから構成されています。画像が10個使われているページが1回閲覧された場合、ヒット数は少なくとも10+1=11です。要するに、ヒット数と訪問者数は全く別物なのです。
過去に「うちのサイトは毎日千回以上もヒットしているのに、サービスの問い合わせがほとんどない」と相談を受けたことがありました。ウェブログ(訪問者の行動や情報の記録)を確認したところ、実際の訪
問者数は1日に30人にも満たず、しかもそのうち、人間の訪問者(後述)は5人以下と判明。問い合わせが来ないのも当然だったのです(苦笑)。

ページビュー
あるページが何回閲覧されたかを示す数値です。ページを構成している画像ファイルなどをカウントしないのが、ヒット数との違いです。ただし、ある一人のユーザーが多くのページを閲覧した場合でも、サイト全体のページビューは上がります。また、同一ページを更新して閲覧した場合でもカウントされるので、ページビューだけでサイトの良し悪しは計れません。

サイトを訪れる" ロボット"
そして、サイトを訪れるのは人間だけではないという事実も忘れないようにしましょう。数え切れないほどの" ロボット"がウェブを巡回しているのです。ロボットと言っても、もちろん、鉄やプラスチックでできた機械のことではありません(笑)。検索エンジンやスパム業者、そしてハッカーたちが、ウェブデータを収集するために使用しているプログラムのことです。プログラムを作り、人間の代わりにネットサーフィンさせているわけです。訪問者数を正しく把握するには、まず前提知識が必要なことがお分かり頂けたと思います。