2006年2月28日火曜日

お久しぶりです!!

お久しぶりです。
昨年の暮れから騒がしさに追われて、毎週ブログを書くことがずーと後回しになってしまいまして申しわけありません。

いつの間にか年も明けて、早2ヶ月も経ってしまいました。(笑)

それに一つ気づいたことがありまして、私という人間はもしかしたらブロガー精神を持っていないかもしれないのです。
そこでちょっと方針を変えます。「ブログ」というよりもたまに「コラム」を書くことにします。

相変わらず検索エンジン業界と検索エンジンマーケティング世界において日々自分にとって、またこの業界にとって面白い出来事や進展がありますが、それらのすべてをここで書こうとするのは取りあえず控えておきます。

気まぐれに空いた時間に、面白いと思ったことのコラムを書くことにしようと思います。
今までどおり英語版は先に出ますが、時間が許す限り和訳もするので楽しみにしてください。:)

2005年11月27日日曜日

G.I.S (Googleイメージ検索)遊びの楽しいサイト

今回はちょっと一息ついて、友達が教えてくれた楽しいサイトの紹介です。

好きな言葉をこのサイトに入力すれば、G.I.S. (Google Image Search)で一位に出てくる画像が文字化されます。

百聞は一見にしかず。
いろいろ遊んでみてください。

2005年11月18日金曜日

訳せないAmerican Joke

今回のお話は退屈の金曜日の夜に書いていた次回のお話の紹介ですので、 くだらない「American Joke」がいっぱいあって、あまり翻訳するほどのものではなかったので、英文のみです。

次回予定している話は「Web 2.0」といった、流行用語の説明と、 その「Web 2.0」がオンライン社会や今後のWebマーケティングをどう影響するかを推察する話になると思います。

今回の英語版

2005年11月14日月曜日

さようならUrchin、こんにちはGoogle Analytics

市場に出回っているウェブアクセス解析ツールの中でも上質な部類だったUrchinをGoogleが今年の3月に買収したとき、Googleがこのツールをいかに利用するのかは謎につつまれていた。


Urchin


が、この謎を解き明かすかのごとく、今日、Googleは新ツールGoogle Analyticsを公開。すでに、www.urchin.com にアクセスしようとするとGoogle Analyticsに飛ばされるようになっている。


Google Analytics


ちなみに、このGoogle Analyticsは、AdWordsユーザーの皆さんには無料で提供されます。

これは一見朗報に思える。
だけど、実際はどうなのか。
このツールが本当に意味するところは、何なのだろうか。

Googleがこのアクセス解析ツールを開発したということは、今後、私たちのサイトに集まってくる訪問者がどこからやってくるのかなどといったトラフィック情報や、その他多くのサイトアクセスに関する統計が、Google側のデータベースに蓄積されていくということになる。
Googleは、どれだけのサイト訪問者が純粋な検索結果(オーガニックサーチ)を元に訪れ、どれだけの訪問者がPPC(クリック課金型キーワード広告)から訪れたのか、またそのPPCはどこのPPCエンジンによるものか、などといった細かいデータを、分かりやすく整理された一覧表にして閲覧することができるようになる。



Google Analytics


こんなことを考えていると、「一体Googleをどれだけ信頼できるだろうか?」と自問してみたくなる。
これまでだったら、普通に「結構信頼できる」と答えていたはずだった。

でも、どれだけの訪問者がOverture(Yahoo!の検索キーワード広告)経由で自分のサイトへ来ているかなんていうデータを、本当にGoogleに知られてもいいだろうか?

どれだけの訪問者が実際に純粋なSEO結果経由で自分のサイトへたどり着いているかという具体的な数字と、それが自分のサイトにどういった意味をもたらすかということを、本当にGoogleに知られてもいいだろうか?

自分のサイトの「CPC対オーガニックコンバージョン」などといったデータが記載された報告書がGoogle側で簡単に作成されてしまってもいいだろうか?


Google Analytics


勿論、Googleの既存のシステムでもすでに検索結果のクリックスルーの統計を取ることはできたわけだけど、実際に自分のサイトの売り上げに影響している情報をそう簡単に彼らに手渡していいものだろうか?

いかに“良心的”サイトであると言っても、Googleも広告販売をビジネスとする一企業。

SEO(検索エンジン最適化)に長けているために、オーガニック検索のクリックスルーから得る売り上げが高いサイトが、AdWordsにあまりお金を落としていないということがアクセス解析により判明したとする。そのとき、Googleがオーガニック検索の結果に手を加えてサイトのランキングを下げ、それによってクリックスルーの数を減らし、さらにそれがAdWordsへの出費に繋がるように仕向けないとは言い切れない。

ビジネスだけを念頭において考えれば、Googleがそういったことをしてもまったくおかしくはない。

私は検索エンジンスパムに強く反対するSEO業者の一人です。今までフェアに検索エンジンと向き合ってきただけに、例えそういった行為が彼らにとって有益かつ可能だとしても、彼らもフェアでいて欲しいと願っています。。。

というわけで、この大変役立ちそうな無料解析ツール(でも今日はちょっと動作が不安定)、どれだけ信頼がおけるのか?皆目見当もつきません。


Google Report


本音を言うと、私はちょっと警戒しています。

今日はそんなことを「うーん」と考えた一日でした。

2005年11月7日月曜日

"Google Bowling"に気をつけろ!

近頃検索エンジン界でよく耳にする"Google Bowling"という用語。Eコマースのサイトや広告リンクを売る大型サイトを管理している人は、知っておくべき用語です。

Googleが全面的なリンク買い付けキャンペーンを“罰する”ために、今年3月にアルゴリズムを改変したのがそもそもの事の始まりのようだけれど、近頃は悪徳SEO会社が自社のクライアントの競争相手を潰すためにこのGoogle Bowlingというトリックを用いているとして話題になっている。

Google曰く:

噂:競争相手が何らかの手段を用いて別のサイトのGoogleランキングを下げたり、Googleのインデックスからそのサイトを削除させることが可能である。
真相:競争相手が、あなたのサイトのランキングを妨害したり、あなたのサイトを我々Googleのインデックスから削除させることは、ほぼ不可能です。あなたのサイトのランクとインデックスへの表示は、コンテンツの選択やそのサイトのデザインなど、ウェブマスターのあなたが管理できる分野が決定の要因となっています。


ということだけれど、巷ではまったく別の説が流れている。

実際に、こういった競争相手のサイトを陥れるようなキャンペーンを肩代わりしてくれると公言している企業もいくつかある。
そんな企業を無駄に宣伝してやることもないのでリンクはしませんが、代わりにそこに掲載されていた言葉をここに引用します。

我々のような人々にGooglebowlのパワーを授けることにより、この収益機会を生み出してくれたGoogleに感謝します。

ちっとも心の温まらない話ですね。

2005年10月23日日曜日

“It”とは? eBayのヌル?いビラルマーケティング

“IT”という何やら意味深なキーワードを打ち出したeBayの最近のテレビCMを知ってますか?






オンラインコミュニティに参加している人なら、おそらくテレビよりネットで先に“It(ソレ)”を目にしているのでは?

(もしくブログ はとかブログという名のコミュニティとか、その手の場所 で目にしているのでは……)


ニュースや面白ネタが大好きな人なら、毎月5ドルの会員費を払っても絶対損はない(と私は思う)最高に面白いオンラインコミュニティ、TotalFarkの会員の私は、そのコミュニティでこの“Itとは一体何なのか?”というサイトについての投稿をいくつか発見。

ところが、面白いことに、TFコミュニティでは二つの投稿で今回のキャンペーンがあまりにもあからさまなビラル(口コミ)マーケティングの手口であると指摘されていました。

ついでに、以前大騒ぎになったSegwayの口コミキャンペーンが得た“ネットを沸かせる効果”を、今回のこのキャンペーンは得られていない印象もある。一部のネットユーザが、消費者を操作しようとする企業の手口についていかに敏感且つ賢くなってきているかがわかりますね。

とはいっても、これがもしMySpaceとかLivejournalだったら、もっと騒ぎになったのかも知れないけれど、何しろ私もそこまでチェックしなかったからなぁ。

なぜって?

“は?”とは思ったけど、“ふむふむ”と考えるには至らなかったから。;)

ここに最近の企業がインターネットの口コミマーケティングを用いて我々を“攻撃”する手口について書かれた興味深い(でもちょっと古い)記事があるので読んでみたい方はどうぞ。(英語だけど)

2005年10月20日木曜日

誕生日のお楽しみとビラルマーケティング

数日前に私は素敵な誕生日を過ごしたのですが、インターネットがそこでも大活躍しました。

まず私のパートナーがネットで遊びに行くところを探してくれて、さらにネットでそこの予約を取ってくれた。ネットで購入されたギフト券をプレゼントされて、私もそのギフト券をネットで何か買うために使うと思う。他にもネットで購入されたプレゼントや、ネットでデザインされてネット経由で贈られてきたバースデイカードもあった。

ひとりの友人は、とても面白い“カード”を送ってくれました。


とあるサイトに行って、写真をアップロードし、顔だけ切り抜いて、写真をフラッシュアニメーションと組み合わせると、オリジナルのアバターやEカードを作ることができるのです。

これはフラッシュを使った非常によい例だと思うので、ここでは“ウェブサイトにおけるフラッシュの正しい使い方”についての批判はとりあえず横に置いておきます。

これが私の友人が送ってくれた完成品のスクリーンキャプチャです(クリックすると、カードが動いている様子を見ることができます。あと、なんで私が忍者の格好をした写真がネットの波間を漂っているかについては訊かないでね)。

こちらが当該サイトのトップページ。ご自分で作ってみたいという方はぜひ行ってみてね。


Dancin' Fool


ところで、日本語には“職業病”という言葉があります。月曜の朝とか長い休暇の後に仕事に行くのを遅らせたくなったり、ズル休みしたくなる病気のことではありません。

職業病というのは、自分の仕事の一部が、仕事以外の生活に食い込んでくるようになる現象のことを言います。

というわけで、私みたいな人がこういうEカードを受け取ったらどうなると思います?

まずは皆さんと同様、自分の写真を躍らせたりクネらせたり、ディスコダンスをさせようとしたりして、無駄に時間を費やしてしまう。

が、その後、私の“職業病”が発病します。

こういうクリエイティヴなアイデアや人の目を引くデザインを備えた、浸透性(spreadability というのは私の造語)のあるサイトを見ると、このサイトのオーナーがいかにしてこのツールを用いて収益をあげようと考えているかを知りたくなる。というのも、こういう人気サイトというのはただ単に私たちが遊べる場所を提供するためにあるのではなく、彼らに収益をもたらす私たちを引き寄せるために面白く作られているからです。

というわけで、このサイトのオーナーが、一体どんなビジネスモデルを念頭に置いてこれを作ったのか考えはじめた私。

カードやアバターを売ることで金儲けを考えていて、商品コストを下げて訪問者数を伸ばすことで収益をあげるようにしているのか?
(着メロサイトや音楽のダウンロードサイトがこの類ですね)

それとも、もっと何か壮大なアイデアが隠れているのか?

今のところ私が考えられるこのサイトの収益向上の手段は、こういった無料のEカードを配布することではなく、携帯電話にダウンロードできる画像を配布すること。

誰でも億万長者にはなりたいものです。でも、どれだけ売り上げを上げたら億万長者になれるかということを考えると(とりあえず、ここでは100万ドルを稼ぐことだけを基本に考えて、製品開発とかホスティング料金とかマーケティングにかかるお金なんかは除外します)、ひとつの商品を2ドル45セントで売ったとして、売らねばならない数は40万8163個(多少の誤差あり)。

お客1人が次の面白サイトに気を奪われる前にこのサイトで3つの画像を有料でダウンロードしたとして(3つというのは……私が今適当に思いついた数字)、それでも必要な顧客数は13万6054人。

ということは、100万ドル稼ぎたくて、何かいいアイデアがあったら、そのアイデアのターゲット層のうち最低13万6054人が実際に購入したいと考えるように仕向けなければならない。

ではどうするか?

昔だったら、競争相手の商品を山積みにして火をつけてのろしを上げて、メディアがそれを目にして自分の商品を取り上げてくれることを待つしかなかったかも知れない。

もしくは新聞とかラジオとかテレビに広告を出すとか。

はっきり言って私の世代の話ではないので(嘘)、昔はどういう風にマーケティングしていたか、私はよく知りません。

では今の時代、限られた予算で最低13万6054人に届くような効果のある広告キャンペーンをして、100万ドル稼ぐにはどうしたらいいか。

このページの右上にある“built by netymology”という画像をクリックすると、そのサイトが提供する答えを見ることができます。

“Netymologyはコンテンツ管理やインタフェースデザイン、企業のアイデンティティやブランド定着に役立つウェブデザイン、Eコマース、口コミマーケティング、オンラインゲーム、ウェブアプリケーションを専門としています”

ここで私が取り上げたいキーワードは、“ビラル(口コミ)マーケティング”と“ブランド定着”です。

“ブランド定着”については以前書いたので、今日はネット上のビラルマーケティングについて少々。最近のビラルマーケティングの手法は従来のそれよりも巧妙で、上手くやれば口コミ商法だとも気づかされないほどなのです。

もしかしたら従来との違いは特になく、ネットというメディアの柔軟性がそうさせているのかも知れないですが、それはまた別の日に議論するとして、話を戻します。

さて、私がこのサイトについて知ったきっかけは何でしょうか。

そう、私の友人が面白いEカードを送ってくれたことですよね。

では、その友人がこのサイトを知ったきっかけは?

彼女の別の友達が彼女にEカードを送って、その別の友達もEカードを送られて、その別の友達にEカードを送った人は、お気に入りのウェブサイトかオンラインコミュニティでこのサイトについて書かれているのを見つけたのかも知れない。もちろん、そのコミュニティの書き込みは、この面白サイトを利用している一般人を装っているけれど、実際には“口コミマーケティングの仕掛け人”であることが多い。

では、あなたがこのサイトを知ったきっかけは?

このブログを読んだからかも知れないですよね。

そんな風に、延々と連鎖していくわけです。

以下がビラル(口コミ)マーケティングの基礎的な手法です。
できるだけ“自然に”ネタを人目のつくオンラインコミュニティのような場所に植えつけ(実際にはちっとも“自然”じゃなくて故意なんだけれど、故意だとわかったらオシマイです。人は操作されていると気づくと途端に反抗したくなるものですからね)、後はそれを目にした人々が口コミで話題を広め、知らず知らずのうちにマーケティングに加担していく。

それこそウィルスのように、一般に浸透しきるまで、どんどん勝手に繁殖させるのです。

(知らず知らずのうちに、とは書いたけれど、職業病の重い人は、自分が何をしているのかわかっていながら、そのアイデアが面白いと感じたために操作されるのを厭わずに、時には協力的に、口コミに加担する場合もあります。一方で、そのアイデアに嫉妬する人もいるだろうけれど、まぁ、まともな投資家と開発者さえいれば、アイデアを盗んで同じようなことを自分でやることもできますからね)

ちなみに、以前書いた“Bag Borrow or Steal”というサイトの素晴らしいアイデアがオンラインメディアに次々と取り沙汰されたのは、ビラルマーケティングではありません。あれは、メディアの上手な使い方に精通したサイトオーナー(ビジネスオーナー)のよい例です。

今日紹介したこの“Muglets”というアイテムを扱っているサイトは、前述のデザイナーハンドバッグのレンタルサービスとは違い、まずこの商品(アイテム? ブランド?)が開発されるまで、これに対する市場すらなかったということになります。

今日はこのコンセプトについて深入りするのはやめておきますが、次に友達や同僚にカワイイサイトや面白いサイトのリンクを送る際には、ちょっと“うーん、もしかして自分はビラルマーケティングの一端を担わされているのか?”と考えてみては?

自分が故意に操られているということについて気にならなくても、どんな形で操作されているのか知るのも興味深いものですよ。