バランスを保つこと
「すべての要求を均等に保つことが、必ずしもが正しいわけではない」
システム屋の立場から言えば、システムの有効活用性を考えると要求Dのプライオリティはどう考えても低い。できることなら他の要求のために妥協してもらいたいところです。ただこれが度を過ぎると入力作業が複雑で、時間が掛かり過ぎて業務に支障をきたす危険性があります。やはりバランスなのです。
このバランスは会社によって十人十色です。従業員数、業種、オペレーターのスキル等様々な要因を考慮しなければなりません。またシステムにかけられるコストも十分考慮しなければなりません。ここで言うコストにはお金だけではなく、開発時間や打ち合わせ時間、テスト や検証に費やす時間と労力も含まれます。それ故、システムに対する要求の妥当性、必要性をよく吟味することは不可欠なのです。
大切なのは、挙がってくる様々な要求がその会社とって重要かどうかを依頼者とよく吟味し、見極めながらうまく 全体のバランスを保ったシステムを構築することです。そして適度なバランスをとるしか道がないことを、システムに関わるすべての人に 理解してもらえるように努力することも忘れてはなりません。利用者がその会社のシステムの主旨をよく理解でき、協力的であればある程、システムの存在価値を高めます。